皆様,
初めまして。当研究所 所長の関 啓子です。
簡単な自己紹介をしながら,当研究所のご紹介をさせていただきます。
【言語聴覚士(ST)を目指した動機】
私は今から40年前,言語学の学生だった大学3年の特別授業で
失語症について学び,見学先のリハビリ病院で先輩STのリハビリを
受けている失語症者と出会った瞬間,この仕事を自分の天職と感じ,
自分の持っている知識と熱意を失語症者に捧げるために言語リハビリ
の専門家(ST)になる決心をしました。
その後,紆余曲折(1年間のスペイン留学,臨床家の条件として必要と考え敢えて選択した
5年余りの銀行員としての社会人経験など)を経て,当時国内で唯一の公的専門職養成機関
であった「国立障害者リハビリテーションセンター学院」で専門領域を学び,晴れてSTとなった
のは,今から30年前のことでした。
私が半生をかけて関わってきた失語症について,拙著「
失語症を解く 言語聴覚士が語
る
ことばと脳の不思議」(人文書
院,2003) に述べましたのでご参照ください。
また,その前後の活動全般については,別添した中高時代の母校東洋英和女学院の
広報誌「楓園」に掲載された記事を
ご覧ください。
【脳梗塞発症】
夫の転勤先である札幌での5年の臨床期間をはさみ,医学研究所(東京都神経科学総合
研究所)や大学(神戸大学大学院保健学研究科)において経験(教育・研究・臨床)を積み、
専門領域を半側空間無視など失語症以外の高次脳機能障害に広げて延べ30年間におよぶ
活動を続けてきた私は,2009年7月に単身赴任先の神戸で脳梗塞を発症し,
一瞬にして左半身の麻痺と自分の専門領域である高次脳機能障害を抱える身になりました。
発症後の経過とリハビリについては拙著(
『「話せない」と言えるまで―言語聴覚士を
襲った高次脳機能障害』医学書院,2013年2月22日出版)に詳しく述べましたので,
お読みいただければ幸いです。
【現在の私】
発症後,現職復職と退職という大きなイベントがありましたが,最終的には夫のいる東京都に
本拠地を移し、2年近く経過しています。
現在の私は脳卒中とその後遺症や,自分が経験したリハビリについて伝えることを目的とした
一般・専門家向け講演活動と並行して、新たな活動の準備を続けてきましたが,このたびようやく
開始できる見通しが立ちました。
目指したのは、私と同じように病気や事故で脳損傷となり、苦しんできた方々の高次脳機能障害
に対するリハビリテーション(リハビリ)と相談を目的とする本研究所の設立です。
なお,神戸大学在職中に,ご自身が失語症者である方が立ち上げた「失語症記念館」というHP
にエッ
セイ(「研究室から」)を連載しましたので,お読みいただけると幸いです。
【所在地】
〒180-0012 東京都三鷹市上連雀1-1-5 三鷹ロイヤルハイツ205号室
(中央線・総武線直通・東西線三鷹駅北口下車徒歩1分)